初心者の方が始めやすい資産運用が投資信託でしょう。
銀行でもおすすめされますし種類も豊富です。自分で銘柄を選ぶよりは、投資信託の方がなんとなく安全な気がする。そう思って選ぶ人も多いのではないでしょうか。
ですが、投資信託は注意しないと大損してしまう商品です。
今回は、よくある失敗してしまう投資信託の選び方5種について解説します。
投資信託については別記事でも解説していますので良ければそちらもご参照ください。
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証券会社の販売実績ランキングを参考にする
販売会社が力を入れているから上位にくる
まずよくある失敗する選び方は「証券会社の販売実績ランキング」を参考にしてしまう、というものです。
例えばテレビを買うときは、ネットの売れ筋ランキングを確認して買ったりするでしょう。家電であれば往々にして人気や口コミというのはそれなりに信頼できる情報です。
一方で、投資信託の販売実績ランキングは参考にしてはいけません。なぜなら、これは投信の人気があるから売れている訳ではなく、販売会社が販売に力を入れているため売れているからです。
テレビなどと違って投資信託は一般の人にとって商品ごとの違いがよく分かりません。そのため、販売員のおすすめに従って購入しやすい傾向にあります。
なぜ販売会社が特定の商品をおすすめするかというと、その投資信託が販売会社にとって利益が高かったり、グループ会社の商品だったりするためです。
短期売買向けの商品が上位にくる
販売実績ランキングをみると必ずと言っていいほど「ブル・ベア型」と呼ばれる投資信託がランクインしてます。
こちらの「ブル・ベア型」と呼ばれる商品は、例えば4.3倍ブルであれば日経平均の4.3倍の値動きをします。仮に日経平均が2%上昇すれば8.6%も上昇する訳です。
値動きが非常に大きいので、大きなリターンを狙った短期売買によく利用されます。短い期間に何度も売買されることが多いので、販売実績ランキングでは上位にランクインしてきます。
このように販売実績ランキングでは短期向けの商品がランクインしやすいですが、資産運用で勝とうと思ったらむしろ長期投資向けの商品を買うべきです。
つまり、販売実績ランキングを参考にして選ぶと大損するのも当然なのです。
証券会社とは違って銀行で購入すれば安心
銀行神話にダマされるな
資産運用をしたことが無い人の中には、銀行で商品を買えば安全だと勘違いしている人がいます。
特にご年配の方に多いのですが、銀行神話のようなものが存在しているのでしょうか。
銀行預金は確かに元本保証ですが、銀行で販売している投資信託はまったく別物です。元本割れの可能性もあります。
証券会社で買おうが銀行で買おうが一緒です。投資信託は元本を下回る可能性があるものですので誤解のないよう注意して下さい。
証券会社より銀行の方が投信の販売には不慣れである
さらに言えば、投資信託の販売は証券会社の方が慣れています。
1998年に銀行での投信販売が解禁されたため、1997年以前は投資信託の販売は証券会社が主流でした。
解禁直後の1999年の銀行の販売シェアは5%に過ぎません。2015年には31%まで増加していますが、それでもやはり証券会社の方が販売シェアは大きいのです。
もちろん証券会社だから安心だという訳ではないですが、銀行の販売員の方が説明が不慣れだったり、フォローが十分でないというのはよく聞く話です。
銀行だから安心だという考えは捨てるようにしましょう。
新しくできた商品の方が質が良い
約50%が設定から5年以内の若い投資信託
最近の技術の進歩はすばらしいですよね。たとえば家電であれば間違いなく最新機種の方が性能が良いでしょう。
ですが、投資信託では安易に新しくできた商品を選ぶのは危険です。
2019年では投資信託の本数は6000本を超えていますが、約50%が設定から5年以内の若い投資信託だと言われています。
もちろん出来たばかりだから悪いとは一概には言えませんが、実績がないのは事実です。本来であれば、新しい投資信託よりもしっかりとした運用実績がある商品を選ぶべきです。
ですが、なぜか日本人は新しい投資信託を好む傾向にあります。新しい方が何となく良さそうだと感じてしまう気持ちは分からなくもないですが、結果には結び付きません。
安易に新しい商品を選ばないように注意しましょう。
自分たちで自分の首をしめることになる
また、投資家が新しい商品ばかりを選んで購入すると別の問題も発生します。
投資信託の販売会社もしっかりとした運用を行う商品を作るよりもとりあえず目新しい商品を作った方が儲かるので、新しい商品をどんどん作っておすすめするようになるのです。
運用内容が悪かろうが関係ありません。とにかく新しい商品を作って投入することが大切になります。そうなるともう悪循環ですね。
投資家が新しい投資信託ばかりを買うことによって質の悪い商品をどんどん作らせていることになるのです。つまり、自分たちで自分の首を絞めているのです。
なんとなくで新しい投資信託を買うのはやめましょう。
相場の下落時でも安定して儲かる投信がある
バランス型投信は機能しない
投資信託の中にはバランス型投信と呼ばれるものがあります。
これは相場が上がっている時は株式などのリスク性資産を積極的に取り入れ、相場が下落している時は債券などの安定資産の割合を増やし資産配分を状況によって変化させる投信です。
どんな相場でも安定して利益を出すことをうたい文句にしていますが、実際には資産配分が固定されている投資信託よりも運用実績が悪いものがほとんどです。
理論上は資産配分を変えた方が上手くいくでしょうが、精密なコントロールをすることはそもそも難しいですし、運用会社がそこまでがんばるインセンティブもありません。
運用結果が良かろうが悪かろうが運用会社の利益は変わらないからです。
残念ながらバランス型投信は機能していないのが現実なのです。
リスクコントロール型投信も機能しない
リスクコントロール型投信と呼ばれる投信もあり、こちらも相場下落時にも利益を出すというふれこみで売られています。
相場が上昇している時は積極的に株式を組み込みますが、相場の下落時には株価指数先物などの売り建てを組入れて相場下落にもそなえるというものです。
ですが、リスクコントロール型投信もバランス型投信と同じように機能していません。
聞こえの良いうたい文句に騙されるのではなく、しっかりと運用内容や運用実績に基づき投資判断をするようにしましょう。
人気が上昇している投信は成績も上昇する
人気がでたがゆえに運用成績が急降下することもある
人気がある投資信託の方が運用成績もいいはずだと思われがちですが、これは勘違いですので注意して下さい。
人気が急上昇したがゆえに運用成績が急降下してしまうという例もあります。
たとえばひふみ投信では、誰もが知っている超有名投信になる前は中小型株への投資で日経平均を大きく上回るすばらしい運用成績を残してきました。
そして、その勢いのままカンブリア宮殿に出演しその人気に火がつきました。順風満帆にいくかと思えましたが、人気が急上昇したあとの運用は振るわず停滞してしまっています。
大きすぎる運用資産額は足かせになる
なぜこのような状況になってしまうのでしょうか。それには理由があります。
人気に火がついたことで一気に資金が流入し、運用資産額が急激に大きくなりすぎてしまったからです。運用資産には投資戦略に適した適切な資産額があるので注意して下さい。
先程のひふみ投信では運用資産額が増え過ぎてしまったため、それまで得意としていた中小型株への投資が行えなくなってしまったのです。
中小型株への投資であれば500億円ほど、日本の大型株であれば2000億円程が適正だと言われています。
もちろん人気がなさ過ぎて運用資産額が少ないのも問題ですが、人気があって運用資産額が大きければいいという訳ではありません。誤解しないようにしましょう。
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まとめ
投資信託は購入しやすい商品ではありますが、それゆえ投資信託で大損してしまう人がたくさんいます。
今回は投資信託の大損する5つの選び方について解説しました。
ぜひ参考にして頂きみなさんの資産を守る一助となれば幸いです。