ロシア株は2000年代初頭頃からBRICsに数えられ、将来有望な株として期待されていました。
現在では割安・高配当な株として、一部の投資家から注目されています。ですが、ハッキリ言うとロシア株はおすすめできません。
一見、好条件の投資先に見えるのですが失敗する可能性が高いです。その理由を解説していきます。
他の新興国についても別記事で解説していますので良ければそちらもご参照ください。
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ロシアってどんな国?
ロシアの概要
まずは、ロシアの概要から見ていきましょう。
国・地域名 | ロシア連邦 |
首都 | モスクワ |
面積 | 1712万5000平方キロメートル |
人口 | 1億4670万人 |
宗教 | ロシア正教、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、仏教 |
公用語 | ロシア語 |
実質GDP成長率 | 1.3% |
名目GDP | 110兆ルーブル |
1人当たり名目GDP | 1万1163ドル |
ロシアの人口は1億4670万人と同程度ですが、国土はとても広く日本の約45倍もあります。世界地図で見てもとてもロシアはとても大きな存在感ですよね。
ロシアは名目GDPの値も大きく、2018年の世界名目GDPランキングでは12位にランクインしています。
まぁ常任理事国ですから当然といえば当然ですよね。ロシアはまさに大国だと言うことができます。
とても美しい聖ワシリー大聖堂
ロシアといえば有名なのはモスクワにある聖ワシリー大聖堂でしょう。モスクワの赤の広場にあり、カラフルで形も特徴的です。
ロシア正教会の大聖堂でとても美しいですね。ロシアへ訪れた際にはぜひとも立ち寄りたいポイントです。
では、続いてロシア経済について見ていきましょう。
ロシア経済の今後はどうなる?
ロシア経済はこれから成長していくのか否か。今後を考えるにあたって大いに影響してくるのが人口の推移です。
人口が増加していく国は経済成長しやすいですし、人口が増えない国の経済は停滞しやすいです。
それでは、ロシアの人口動態と人口の推移を確認してみましょう。
(出典:世界の人口ピラミッド)
ロシアは2020年の人口が最多となっており、それ以降は徐々に人口が減少していきます。そのため、ロシアの経済は停滞してしまう事が予測されるのです。
経済という観点から見ると、残念ながらロシア株には投資すべきではないという事が分かりました。
続いてロシアの株式市場についても分析していきましょう。
ロシア株式市場は成長していくのか?
ロシア株式市場の概要
ロシアで最大の証券取引所はモスクワ証券取引所となっています。
また、代表的な株価指数は「RTS指数」と呼ばれているもので大体40~50程度の銘柄で構成されています。日本で言うTOPIXのようなものですね。
モスクワ証券取引所の設立は2011年ですが、前身としてモスクワ銀行間通貨取引所があり、こちらが1992年に設立されています。
ロシア株は高配当
それではロシアの株を日本やインドネシアと比較してみましょう。
インドネシア | ロシア | 日本 | |
時価総額 | 841億ドル | 1811億ドル | 3.6兆ドル |
配当利回り | 4.72% | 8.57% | 2.47% |
PER | 12.6 | 5.1 | 16.3 |
PBR | 1.9 | 0.6 | 1.2 |
時価総額で見ると、インドネシア<ロシア<日本の順になっており、ロシア株式市場は大きな市場であることが分かります。
そして、ロシア株の配当利回りは8.57%と一番高くなっており、これは世界的に見てもとても高い水準となっています。
ロシア株はとっても割安
続いてPERとPBRを見てみましょう。PERとPBRの詳細は割愛しますが、要は数値が小さいほど割安だという意味です。
インドネシアのPERが12.6、日本が16.3なのに対してロシアのPERは5.1です。ハッキリ言ってこれはめちゃくちゃ割安な水準です。
PBRでみても0.6と1を下回っており、会社の純資産よりも株価の方が安いという水準になっています。
つまり、PERで見てもPBRで見てもめちゃくちゃ割安というのがロシア株の特徴となっています。
高配当な上に割安とあっては、ロシア株に投資したくなってしまいますね。ですが、配当利回りやPERだけをみてロシア株に投資するのはとても危険です。その理由を解説します。
これから成長する国に投資をしなければ意味がない
株価が上がる仕組みを理解しよう
当たり前ですが、株への投資では株価が上がらなければ儲けることは出来ません。株価が上がる仕組みはいわゆる人気投票となっています。
株を買いたい人が多ければ多いほど、どんどん株価が上がっていく訳ですね。
新興国への株式投資では、その国の経済が成長していくと同時に株式市場への期待感も高まり投資家からのお金がどんどん流入し株価も上昇していくというのが一般的な流れです。
数字にだまされるな!ロシア株式市場の注意点
では、ここでロシアという国を考えてみましょう。ロシアはこれから経済成長していく新興国でしょうか?
いいえ、違いますよね?すでにGDPの世界ランキングでは12位に入っている大国ですし、常任理事国ですし、これから人口が減っていくのでロシアの経済成長には期待できません。
経済成長が始まる前の新興国で、株価が割安な水準にある場合はとても魅力的な投資対象となります。
しかし、ロシアの場合は経済成長は終わっているけども、ただ人気がないため株価が割安な水準となっているのです。
つまり、いくらロシア株が割安だと言ってもこれからの株価高騰が見込めないため投資してはいけないのです。
まとめ
今回はロシア株式市場について投資してはいけない理由を解説しました。内容をまとめてみます。
●ロシアの人口は2020年をピークとして減少していくので今後の経済成長には期待できない
●ロシア株はPER5.1とめちゃくちゃ割安
●ただし、これから経済発展して株価上昇していく訳ではなくただ人気がないから割安となっている
海外の株式に投資をするならやはりこれから経済成長していく国に投資をすべきです。現在最も期待できるのは中国の株式です。
中国はこれからGDPが急成長しているにもかかわらず株価まだ安いままという奇跡的な投資チャンスです。
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