新興国投資をしたい人の中には、フィリピン投資ってどうかな~?と考えてる人も多いでしょう。
フィリピンはまだまだGDPも小さく確かに新興国です。日本と比べたら、これからの経済成長が期待できるのは間違いないでしょう。
しかし、だからといって安易にフィリピンに投資してしまうと痛い目を見ます。よくよく分析すると今後のフィリピン株はまず儲からないです。投資すべきではないです。
その理由を解説していきます。フィリピン株への投資を検討している方はぜひ参考にしてみて下さい。
他の新興国については別記事でも解説していますので、良ければそちらもご一読ください。
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フィリピン経済には成長が期待できる
フィリピンの概要
そもそもフィリピンとはどんな国でしょうか。概要はこちらです。
国名 | フィリピン共和国 | 日本 |
面積 | 30万平方キロメートル | 37.8万平方キロメートル |
人口 | 1億98万人 | 1億2600万人 |
宗教 | キリスト教(92.9%)、イスラム教(5.1%)など | 仏教系(48.1%)、神道系(46.5%)など |
公用語 | フィリピノ語、英語 | 日本語 |
名目GDP | 3,310億ドル | 4兆9719億ドル |
1人当たり名目GDP | 3,104ドル | 3万9306ドル |
実質GDP成長率 | 6.2% | 0.81% |
日本の人口は1億2600万人、面積は37.8万平方キロメートルですので、フィリピンの人口と国土面積は日本とほぼ同じです。
しかし、フィリピンの名目GDPは日本の1/15、1人当たりGDPは1/10とまだまだ発展途上の国であることが分かります。
国の面積や人口は同じですが実際の経済発展度には大きな開きがあるのです。その分経済成長率で見ると、フィリピンは6.2%と日本の0.81%を大きく上回っています。
経済の関観点から見ると、フィリピンはこれから発展する国であることは間違いないと言えるでしょう。
大統領が指揮するフィリピンの経済政策
そんなフィリピンを率いるのはドゥテルテ大統領です。
(出典:Wikipedia)
インフラ投資に積極的で「Build Build Build」と呼ばれる政策を打ち出しています。この政策により3年間で400万人の雇用を生みだしました。
さらに、外資の誘致にも積極的で外資の出資比率の改正にも取り組んでいます。
こういった取り組みは一定の成果を上げ、フィリピンの高い経済成長率が実現できています。
ーーーーー追記ーーーーー
2022年6月30日に新大統領のフェルディナンド・マルコス・ジュニア氏が就任しました。
左が新任のマルコス氏で右が前任のドゥテルテ氏です。
また、マルコス氏の父親も1986年の民衆蜂起によって権力の座を追われるまで大統領を務めていました。
息子であるマルコス氏の新大統領就任はマルコス一族の復権とも言えます。ちなみに副大統領は前大統領の娘、サラ・ドゥテルテ氏となっています。
マルコス氏は雇用拡大や物価上昇対策などを公約に掲げていますがどのように実現されていくのか注目ですね。
ーーーーー追記終わりーーーーー
人口ボーナスによる中長期の成長
フィリピンの優位性は他にもあります。それは人口の多さです。
新興国が経済成長するにあたって重要な要素となるのが人口です。いわゆる人口ボーナスというやつですね。
出典:世界の人口ピラミッド
フィリピンは1億人を超える大国ですし、平均年齢も24歳とまだまだ若いです。これからも人口が増え続けると予想されます。
今後の人口推移のシミュレーションを見てみましょう。
出典:世界の人口ピラミッド
フィリピンの人口は増え続け、2075年まで増加していくと予想されています。人口はなんと1億5千万人に達する見込みです。
これから50年以上も人口が増え続けていく訳ですから、フィリピンは中長期的に見ても人口ボーナスが期待できる有望な新興国なのです。
経済は順調だけれどフィリピン株は儲からない
これまで見てきた通り、フィリピン経済の成長には期待できます。
特に大きな文句の付けどころはないでしょう。ですが、それでもフィリピン株は儲からないのです。
なぜか?
新興国に投資をする上でその国の経済情勢を把握することはとても大切です。そして、それに並んで重要なことがあります。
それが、その国の株式市場について分析することなのです。
フィリピンの株式市場はいったいどうなっているのか?見ていきましょう。
フィリピンの株式市場を分析する
銘柄数と時価総額
フィリピンの証券取引所は、「フィリピン証券取引所」です。
日本と同じように上場株式市場があり、証券会社を通じて株式の売買をすることができます。
フィリピン | 日本 | |
上場銘柄数 | 266銘柄 | 3695銘柄 |
時価総額 | 6.8兆円 | 494兆円 |
ただし、銘柄数は日本の1/14、時価総額も1/12ほどと規模は大分小さくなっています。
日本と比べると、フィリピンの株式市場は経済と同様にまだまだ発展途上なのです。
PERを比較する
続いて、フィリピン株の価格はどうなっているのか、株価の水準について考えていきましょう。
株価が高いのか安いのかを測る指標としてPERがあります。
PERの数字が小さいと株が安い
PERの数字が大きいと株が高い
つまり、PERが小さければ株は安く、PERが大きければ株が高いということを意味します。国別で比較してみましょう。
PER | 時価総額 | |
米国 | 38.6 | 4438兆円 |
日本 | 16.9 | 494兆円 |
フィリピン | 29.1 | 6.8兆円 |
タイ | 25 | 18.3兆円 |
フィリピンについて見てみると、時価総額は4か国の中で一番低いですが、PERは米国についで2番目に高くなっています。
フィリピンより株式市場が大きいタイや日本のPERよりも、フィリピンのPERの方が大きいのです。
つまり、フィリピンの株式市場は小さくまだ発展途上ではあるものの、株価自体はすでに値上がってしまっているのです。
株価の割安度を測る指標。PERが高いと割高で、PERが低いと割安を意味する。
フィリピン経済の成長は期待できますが、すでに株価に織り込み済みとなっているわけですね。
株価が高い状況でフィリピン株を購入しても儲けることはできません。新興国投資ではその国の経済成長の見込みも大切ですが、同じように株式市場の状況、株価の状況も大切なのです。
フィリピン経済の成長には期待できますが、値上がりを期待して株をすでに購入している人が多く、経済に先行して株価が値上がっている状況です。
すでに十分値上がっているので、ここから更なる値上がりを期待するのは厳しいです。
新興国投資で成功する2つの条件
フィリピンの株を分析して分かったのは、新興国投資で成功するためには2つの条件があるということです。
- 新興国がこれから経済成長する国であること
- 新興国に株式市場があり、まだ株価が安いこと
新興国投資の際にはこれら2つの条件を満たしている国に投資する必要があります。
フィリピン
- これから経済成長する国である → ○
- 株式市場がありまだ株価が安い → ×
フィリピンは経済面は期待できますが、株価の条件を満たしていませんでした。
これから新興国投資を始めるなら中国株投資がおすすめです。
中国は今後アメリカを抜いて世界No.1の経済大国になると言われていますが、まだ株価は値上がっていません。
今はアメリカ株がものすごく好調ですが、これからは中国株が間違いなく来ると思います。
これまではアメリカが世界一の経済大国であり、アメリカ株は常に右肩上がりの成長を続けてきました。
しかし、数年後には中国がアメリカにとって代わって世界No.1になると言われています。中国株に投資すれば右肩上がりの成長が見込め、爆発的なリターンを期待できます。
中国株への投資は日本からもできますが、個人での銘柄選びはハードルが高いです。
そこで、おすすめの方法は中国株専門のヘッジファンドを利用することです。私も中国にはヘッジファンドを通して投資しています。
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