新興国の株式は個別銘柄の取引もできますが、一番簡単な方法は投資信託です。
新興国の株式に投資したい人向けに各社から様々な商品が出ています。
では、どんな投資信託があるのか見ていきましょう。
今回は、12種の新興国株式のインデックスファンドについて詳しく見ていきます。
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- 1 新興国株式に投資する投資信託12種
- 1.1 ①eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
- 1.2 ②楽天・新興国株式インデックス・ファンド
- 1.3 ③ニッセイ新興国株式インデックスファンド
- 1.4 ④SBI・新興国株式インデックス・ファンド
- 1.5 ⑤三井住友・DC新興国株式インデックスファンド
- 1.6 ⑥野村インデックスファンド・新興国株式(Funds-i 新興国株式 )
- 1.7 ⑦たわらノーロード 新興国株式
- 1.8 ⑧iシェアーズ 新興国株式インデックス・ファンド
- 1.9 ⑨i-SMT 新興国株式インデックス(ノーロード)
- 1.10 ⑩SMT 新興国株式インデックス・オープン
- 1.11 ⑪iFree新興国株式インデックス
- 1.12 ⑫Smart-i新興国株式インデックス
- 2 ベンチマークは大きく2種類
- 3 MSCI エマージング・マーケット・インデックスとは
- 4 FTSE社のインデックス3種
- 5 現状の新興国投資信託の問題点
- 6 新興国株式はもっと個別の国ごとに狙っていくべき
新興国株式に投資する投資信託12種
まずはどんなインデックスがあるのか?
主要なインデックス12種類の概要から確認していきましょう。
①eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
- 委託会社 三菱UFJ国際投信株式会社
- 運用資産額 157億円
- インデックスファンド
- ベンチマーク MSCI エマージング・マーケット・インデックス(円換算ベース)
- 為替ヘッジ なし
②楽天・新興国株式インデックス・ファンド
- 委託会社 楽天投信投資顧問株式会社
- 運用資産額 11億円
- インデックスファンド
- ベンチマーク FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス(円換算ベース)
- 為替ヘッジ なし
③ニッセイ新興国株式インデックスファンド
- 委託会社 ニッセイアセットマネジメント株式会社
- 運用資産額 9億円
- インデックスファンド
- ベンチマーク MSCI エマージング・マーケット・インデックス(円換算ベース)
- 為替ヘッジ なし
④SBI・新興国株式インデックス・ファンド
- 委託会社 SBI アセットマネジメント株式会社
- 運用資産額 16億円
- インデックスファンド
- ベンチマーク FTSE エマージング・インデックス(円換算ベース)
- 為替ヘッジ なし
⑤三井住友・DC新興国株式インデックスファンド
- 委託会社 三井住友DSアセットマネジメント株式会社
- 運用資産額 18億円
- インデックスファンド
- ベンチマーク MSCI エマージング・マーケット・インデックス(円換算ベース)
- 為替ヘッジ なし
⑥野村インデックスファンド・新興国株式(Funds-i 新興国株式 )
- 委託会社 野村アセットマネジメント株式会社
- 運用資産額 46億円
- インデックスファンド
- ベンチマーク MSCI エマージング・マーケット・インデックス(円換算ベース)
- 為替ヘッジ なし
⑦たわらノーロード 新興国株式
- 委託会社 アセットマネジメントOne株式会社
- 運用資産額 56億円
- インデックスファンド
- ベンチマーク MSCI エマージング・マーケット・インデックス(円換算ベース)
- 為替ヘッジ なし
⑧iシェアーズ 新興国株式インデックス・ファンド
- 委託会社 ブラックロック・ジャパン株式会社
- 運用資産額 8億円
- インデックスファンド
- ベンチマーク MSCI エマージング・マーケット・インデックス(円換算ベース)
- 為替ヘッジ なし
⑨i-SMT 新興国株式インデックス(ノーロード)
- 委託会社 三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社
- 運用資産額 0.4億円
- インデックスファンド
- ベンチマーク MSCI エマージング・マーケット・インデックス(円換算ベース)
- 為替ヘッジ なし
⑩SMT 新興国株式インデックス・オープン
- 委託会社 三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社
- 運用資産額 207億円
- インデックスファンド
- ベンチマーク MSCI エマージング・マーケット・インデックス(円換算ベース)
- 為替ヘッジ なし
⑪iFree新興国株式インデックス
- 委託会社 大和証券投資信託委託株式会社
- 運用資産額 23億円
- インデックスファンド
- ベンチマーク FTSE RAFI エマージング インデックス(円換算)
- 為替ヘッジ なし
⑫Smart-i新興国株式インデックス
- 委託会社 りそなアセットマネジメント株式会社
- 運用資産額 4億円
- インデックスファンド
- ベンチマーク MSCI エマージング・マーケット・インデックス(円換算ベース)
- 為替ヘッジ なし
ベンチマークは大きく2種類
今回見た投資信託すべてがインデックスファンドとなっていました。
インデックスファンドとは特定の株式指標に連動するように運用する商品です。
そのため、運用成績は株式指標の値動きに左右されます。
では、ベンチマークとされている株式指標にはどんなものがあるのでしょうか。
12種類の内訳は次のようになりました。
- MSCI エマージング・マーケット・インデックス(円換算ベース) 9個
- FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス(円換算ベース) 1個
- FTSE エマージング・インデックス(円換算ベース) 1個
- FTSE RAFI エマージング・インデックス(円換算) 1個
ほとんどが、MSCI エマージング・マーケット・インデックスでしたが計4つの指標が採用されていました。
大きく分けると、2つです。
- アメリカのMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が算出した指標
- イギリスのFTSEインターナショナルが算出した指標
算出する会社によって指標の名前が異なっている事が分かります。
それでは、それぞれの指標で投資対象はどのように変わってくるのでしょうか。
MSCI エマージング・マーケット・インデックスとは
(出典:目論見書)
MSCI エマージング・マーケット・インデックスは新興国24か国に投資します。
大型株・中型株を中心に約1,100銘柄に投資をしており、中国・韓国・台湾などアジア圏の国の割合が大きくなっているのが特徴です。
MSCI エマージング・マーケット・インデックスをベンチマークとしている投資信託を買うという事は、中国や韓国をはじめとするアジアの国に主に投資する事になります。
FTSE社のインデックス3種
FTSE社によるインデックスは数多くの種類がありますが、今回は上記の投資信託に登場した3種について見ていきます。
FTSEエマージング・インデックスとは
(出典:ネットで資産運用)
FTSEエマージング・インデックスも新興国24か国に投資します。
大型株・中型株を中心に約1,000銘柄に投資します。
MSCI エマージング・マーケット・インデックスとの違いは韓国が含まれているかどうかです。
韓国は経済成長の観点では先進国に近い水準となっていますが、産業構造や社会構造においてまだ未整備の部分があるとみなされておりMSCIでは新興国に分類されています。
FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス(円換算ベース)とは
(出典:ネットで資産運用)
新興国24か国に投資するのは同じですが、大型株や中型株だけではなく小型株にも投資します。
そのため、投資銘柄は数多く約1,800になります。
FTSE社が提供しているため韓国も含まれていません。
FTSE RAFI エマージング・インデックスとは
(出典:ネットで資産運用)
FTSE社とRAFI(リサーチアフィリエイツ)社が共同で開発したインデックスになります。
流動性・時価総額・浮動株の基準を満たした銘柄の中から、4つのファンダメンタル指標をもとに選定されます。
- 株主資本
- キャッシュフロー
- 売上
- 配当
結果として、新興国12か国に投資をし、銘柄数は300ほどのインデックスになっています。
これまでの指標は時価総額別に銘柄を組み込むインデックスであり、株式市場そのものに投資をするような形になります。
一方、FTSE RAFI エマージング・インデックスは企業の財務情報を元に投資判断をするファンダメンタル指標を用いています。
ファンダメンタル指標の方がパフォーマンスが良くなるとする声と、コストが安い時価総額別のインデックスの方が良いとする声両方がありますが結論は出ていません。
現状の新興国投資信託の問題点
既存の新興国向けの投資信託は果たして満足いく商品だと言えるでしょうか?
BRICSと台湾への漫然とした投資になっている
いずれの指標でもBRICS国への投資で60%程度を占めています。
BRICSはブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカのことですね。
韓国の有無などはありますが、結局BRICSプラス台湾に主に投資する商品となってしまっているのです。
BRICSやアジアへの投資が悪いという訳ではありません。ただ、何となくそれらの国に投資しても儲かる可能性は低いです。
新興国株式はもっと個別の国ごとに狙っていくべき
結論としては、新興国株式へ投資するならもっと個別の国の株式に集中して投資していくべきだと言えます。
インデックスファンドに投資をすると投資したくない国も含まれています。
それでは、有効な新興国株式投資だとは言えません。
新興国に投資するならインデックスファンドといったパッシブな運用ではなくて、もっとアクティブに運用していく事を考えましょう。
方法は次の二つの方法があります。
証券会社で外国株を取引する
国によっては外国人が普通に株式を売買できる国もあります。
自分が投資したい国の株式を個人で買えるかチェックしてみましょう。
続いて、証券会社を確認します。
買いたい国の株を取り扱っている会社を調べてみましょう。
自分自身で銘柄選択が出来る方にはおすすめの方法です。
ヘッジファンドを通して投資する
自分で銘柄選択までやるのはちょっと・・・という方にはヘッジファンドがおすすめです。
ヘッジファンドは金融機関で経験を積んだファンドマネージャーが運用を行う資産運用に特化したサービスです。
初心者でも投資のプロの力を借りて、ハイクオリティな投資を行う事が出来ます。優秀なヘッジファンドであれば年利10%~も期待できます。
ヘッジファンドの種類は様々で新興国を専門としたヘッジファンドもあります。
個人的におすすめのヘッジファンドは、下記ランキングにまとめていますので気になる方はぜひ確認してみて下さい。