資産運用の世界で華々しく活躍しているヘッジファンド。それらを運営するファンドマネージャーも輝かしい実績や功績を残しています。
- どんな投資を行って利益を上げたのか
- どれくらいの報酬を得ているのか
- 日本にも著名なファンドマネージャーはいるのか
気になる事ばかりですよね。今回は輝かしい実績をもつ世界と日本のヘッジファンドマネージャーを紹介していきます。
まずは世界のファンドマネージャーから見ていきましょう。
ファンドマネージャーについては別記事でも解説していますので良ければそちらもご一読下さい。
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ジェームズ・シモンズ
栄誉ある賞をいくつも受賞した数学者
(出典:CPA Capitalist)
1人目はジェームズシモンズです。
彼はもともと数学者でした。マサチューセッツ工科大学で学位を取得したのち、カリフォルニア大学バークレイ校で博士号を取得しています。
数学者としての活躍も華々しく、アメリカ数学界で最高峰とされる「オズワルド・ウェブレン賞」を受賞するなど数多の実績を残しています。
数学的手法を用いたヘッジファンド「ルネサンス・テクノロジー」
そんなジェームズ・シモンズが立ち上げたヘッジファンドが「ルネサンス・テクノロジー」です。
こちらは、値動きを統計的に予測できるのではないかという発想のもと、数学的手法を用いて予測モデルを構築していく投資手法です。
まさにテクニカル投資の真骨頂ですね。ただし、そんじょそこらの運用手法とは異なり、数学的・統計的分析のクオリティが異次元に高いのです。
2018年報酬ランキング第1位「16億ドル(約1,728億円)」
この投資手法でジェームズ・シモンズのヘッジファンドは大成功を収めています。
なんと、2018年のヘッジファンドマネージャー報酬ランキングでは第1位に輝きました。その報酬額は16億ドル(約1,728億円)です。
金額が大きすぎてなかなか頭にはいってきませんね。これだけの報酬はヘッジファンドのファンドマネージャーでなければ成し得ない金額と言えるでしょう。
この活躍っぷりから、ジェームズ・シモンズは「最も賢い億万長者」との評価を得ています。
レイ・ダリオ
ハーバードビジネススクールからメリルリンチへ
(出典:ZUU online)
2人目はレイ・ダリオです。
彼はロングアイランド大学を卒業後、ハーバードビジネススクールを経てメリルリンチに就職しています。
いわゆるエリートというやつですね。このままでも十分凄いのですが自身で独立してヘッジファンドを創設します。
それが「ブリッジ・ウォーター・アソシエイツ」です。
グローバルマクロ戦略の「ブリッジ・ウォーター・アソシエイツ」
ブリッジ・ウォーター・アソシエイツでは安定運用を売りにしています。
なんと、2008年のリーマンショックの時でさえ、いち早く株式相場の急落を見抜き金や債券にポジションをうつしていたことで、12%の利回りをたたき出しました。
90%以上のヘッジファンドは損を出した年ですのでその手腕がいかにすごいのかが分かります。
顧客もいち個人投資家ではなく、大手生命保険会社や年金基金など巨大な機関投資家で構成されています。
運用資産額は16兆円と世界でも最大級のヘッジファンドとなっています。
2018年報酬ランキング第2位「12.6億ドル(約1,360億円)」
大成功をおさめているレイ・ダリオ氏の報酬は、2018年報酬ランキングで第2位となりました。その金額は12.6億ドル(約1,360億円)です。
これだけ報酬がもらえるのも当然運用がうまくいったからです。
2018年は市場環境がきびしく損失をだしたヘッジファンドが多いなか、14.6%もの利益をたたき出しました。
ヘッジファンドマネージャーほど実績が報酬に反映される職業も珍しいかもしれませんね。夢のある話です。
ジョン・ポールソン
エリート中のエリート!華々しい経歴
3人目はジョン・ポールソンです。
彼はニューヨーク大学トップの成績で卒業したのち、ゴールドマン・サックスに勤務します。その後、ハーバード大学でMBAを取得すると世界でも有数のボストン・コンサルティング・グループに務めます。
どこを切り取ってもエリート中のエリートですね。
ジェームズ・シモンズといいレイ・ダリオといいジョン・ポールソンといい、ヘッジファンドマネージャーはまさに頭脳で勝負する職業ですね!
サブプライム問題で1兆4,000億円の利益を上げる
そして、何よりもジョン・ポールソンの名を世界に知らしめたのはサブプライムローンに関する投資です。
当時、アメリカは住宅バブルで潤っていて誰もが不動産価格の上昇を疑いませんでした。
そんな中、ジョンポールソンはサブプライムローンの崩壊を予測し、CDS(クレジットデフォルトスワップ)に巨額の投資を行いました。
ちょっと難しい表現ですが、サブプライムローンが崩壊する、要はアメリカの住宅バブルが弾けることに多額の資金をかけたのです。
まさに人生をかけた投資ですが結果はご存じの通り、バブルは弾け大暴落が発生しました。ジョン・ポールソンはこの取引で1兆4,000億円の利益を上げ、自身の報酬も4,000億円に上ったと言われています。
ハーバード大学に4億ドル(約432億円)寄付
ジョン・ポールソンがすばらしいのは何も資産運用に限った話ではありません。
彼は自身の母校であるハーバード大学に4億ドル(約432億円)もの寄付を行いました。
これは、ハーバード大学の380年に及ぶ歴史の中でも最大の寄付金となっています。
しっかりと稼いでそれを社会に還元させていく。こういった心構えが世界で成功するためには必要なのかもしれません。
藤野 英人
ひふみ投信の代表取締役社長
(出典:ひふみ投信HP)
続いて日本のファンドマネージャーについて見ていきましょう。まず1人目は藤野英人氏です。
いまや超有名となったひふみ投信の代表取締役社長です。最高投資責任者も務めています。
カンブリア宮殿の出演をきっかけに一気に知名度が上がり、最も勢いのあるファンドになっています。
日本の成長株に投資する
ひふみ投信の運用方針は堅実です。
日本の成長株に投資を行い、資産を守りながら増やす方針を掲げています。
企業の業績の変化に着目する定量調査と、ヒトの可能性に着目する定性調査を行っています。
株式市場(TOPIX)の2倍以上の運用成績
ひふみ投信の人気の秘密はその圧倒的な運用成績です。
過去3年間の運用成績を株式市場全体(TOPIX)と比較してみましょう。
(出典:モーニングスター)
株式市場が20%に満たない伸び率なのに対して、ひふみプラスは約40%の伸び率となっています。
その差は2倍以上。藤野英人氏の運用手腕が卓越していることが分かります。
まさに日本を代表する投資家の一人だと言えるでしょう。
奥野 一成
永続的な企業価値増大を追求する
(出典:SBI証券)
日本のファンドマネージャー2人目は、奥野 一成氏です。
彼は、京都大学を卒業後、銀行や証券会社を経て、「農林中金<パートナーズ>米国株式長期厳選ファンド」の運用責任者を務めています。
「永続的な企業価値増大を追求する」という投資哲学をもとに米国株式を詳細に分析します。
そして、放っておいても利益をあげていくような会社に投資していくのです。
日本のウォーレン・バフェット
奥野氏の投資方針は、一度買ったら売る必要のない企業に投資しましょう、というものです。
これはどこかで聞いたことがありませんか?
そうです、これは世界で1番の投資家ウォーレン・バフェットが言っていることでもあります。
そのため、奥野氏は日本のウォーレン・バフェットとも呼ばれています。
ただし、本人はウォーレン・バフェットを超える事を目指しておりバフェットと同じ銘柄は買わないようにしているようです。
その向上心には感嘆させられますね。
まとめ
ヘッジファンドのファンドマネージャーはみんな経歴がしっかりしておりまさにエリートの集まりでしたね。
報酬も破格の金額が多かったですが、それは成功報酬のため運用が上手くいっているからこそ受け取れる報酬です。
そういった意味では運用実績次第で大きく変わりますので、それこそ生き馬の目を抜く世界ではないでしょうか。
そんな厳しい状況で活躍しているファンドマネージャーの方々はすばらしいですね。
多くの学びが得られるかと思いますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
別記事でもヘッジファンドに関する解説をしておりますので良ければそちらもチェックしてみて下さい。
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