ヘッジファンドのような私募ファンドに投資をする時、気になるのは「本当にこのファンドはちゃんと運用してくれるのか?」ということでしょう。
ヘッジファンドに限らず詐欺で大金を失ったという人は数多くいます。
そんな大失敗をしないためにも詐欺ファンドの見分け方を覚えましょう。
自分で運用するにしろプロに任せるにしろファンド選びは超重要です。別記事でも解説していますので良ければ参考にしてみて下さい。
関連記事
『失敗しないヘッジファンドの選び方!5つのポイントを大公開』
詐欺師は良い人で魅力的
あなたが家にいたらインターホンがなり誰かが訪ねてきました。スーツを着こみ髪をビシッときめた押しの強そうな人です。
こんな感じでやってきたら明らかに怪しいですし詐欺だと気付けますよね!ですが、本当の詐欺師は人を安心させるような雰囲気がありますし良い人に見えて魅力的です。
見た目や言動で見破るのは、なかなか至難のワザです。どんなことを仕掛けてくるのか、詐欺の事例をもとに考えてみましょう。
あなたは見破れるでしょうか?
詐欺の事例①「マイナスになったことはありません!」
元本保証で配当を返す
それでは、一つ目の事例です。ある人があなたに超優秀なヘッジファンドの存在を教えてくれました。
例)過去の運用実績
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 |
1.5% | 4.2% | 7.8% | 0.3% | 11.4% | 2.3% |
7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
4.1% | 0.8% | 1.5% | 6.7% | 10.1% | 3.5% |
果たしてこちらのヘッジファンドに投資してもよいのでしょうか?
答えはもちろんNoです。絶対にダメな条件を満たしています。
それは元本保証と毎月の配当利回りが4%と提示されていることです。なぜこれらはダメなのでしょうか?
種明かし
それではダメな理由を見ていきましょう。
まず、資産運用の大前提として運用した結果がどうなるかは誰にもわかりません。
そのため、元本保証も配当利回りも約束することはできません。どんなに超優秀なファンドマネージャーであってもです。
実際にこれはポンジスキームという最も有名な詐欺の手法です。新規の人が投資したお金を運用などせず、既存の投資家の配当に回します。
資金流入が資金流出より大きい限り成り立つ手法です。実際にあったアメリカの超巨額詐欺事件では30年以上にわたり詐欺ファンドが運営されていました。
関連記事
『元本保証の投資は甘い罠!絶対に選んではいけない4つの落とし穴について解説する』
『ふつうの投資信託は儲からないことが明らかに!?儲かる投資信託の選び方を解説する』
詐欺の具体例②「将来の株価を言い当てる」
これから上がる銘柄はこれだ!
ある日あなたのもとに、投資アドバイザーを名乗る人からメールが届きました。
翌週、あなたは半信半疑でA社の株の値動きを観察しました。そうすると驚いたことに50%以上もの値上がりを見せたのです。
そうすると再びメールが届きました。
(空売りでは価格が下がれば利益が出ます。)
あなたはまだ半信半疑です。ですが、確実に1通目のときよりも興味を持ってB社の株価を見守っています。
そうすると、本当にB社の株価が値下がりしました。そして、またメールが届きます。
「来週はC社の株が・・・」、「D社・・・」、「E社・・・」、「F社・・・」
見事に全部の予想が的中します。そして、食事会のお誘いが届きます。そこで言われるのです。
あなたは思わず契約してしまうことでしょう。
ですが、こちらも残念ながら詐欺です。あなたは見破れましたか・・・?
種明かし
一見すごく見える株価の将来予測ですが、これにはもちろんトリックがあります。マジックに近いですね。
実は株価予測のメールはあなた以外にも大量に送り付けられているのです。そして、上がる予測と下がる予測の両方を出します。
単純に考えれば予測のメールがあたる確率は1/2ですね。出したメールの半分が株価を言い当てたメールになるのです。これをA社からF社の6社分あてるとすると、確率は1/64です。
つまり、64通メールを出せばあなたのようにピッタリ6社分の株価推移を言い当てられた人が1人誕生します。640通出せば10人生まれます。
その10人をお食事会に誘えばいいわけです。メールの普及により何百通ものメールを出すのがとても簡単な時代になりましたね。
詐欺ファンドに会わないためには
最後に詐欺ファンドに会わないためにはどうすれば良いのでしょうか?
とてもシンプルですが普通に考えてムリなことはムリです。
損失を一度も出さないというのは不可能ですし、元本保証も無理ですし、毎月決まった配当も出せません。将来の株価を正確に予測することも不可能です。
資産運用には必ず損する可能性がつきものです。絶対に損しない状況はあり得ないのです。
- 元本保証は不可能
- 毎月決まった配当を出すのも不可能
- 将来の株価を予測することも不可能
- 資産運用には必ず損する可能性がついてくる。絶対に損しない、はあり得ない。
詐欺師は言葉巧みに誘導してきますが、騙されないようにしましょう。