一言で新興国株式といっても多種多様な国があります。
我々は何となく一緒くたに考えてしまっていますが、向こうにしてみたら失礼な話ですね。
今回はいわゆる新興国とはどんな国があるかを解説し、注目の株式市場を解説します。
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新興国市場に期待できること
新興国とは、欧米や日本に比べて経済水準が低くこれから大きく成長すると見込まれている国々の事です。東南アジアや中東、南米、東欧などが当てはまります。
また、BRICsのように注目されている国々がまとまって呼称をつけられることもあります。
共通して言えるのは、これから経済が大きく成長すると期待されているという点です。新興国は世界的に見ても存在感を増してきています。
人口は世界人口の85%を占め、GDPでみても39%を誇ります。経済活動における新興国の影響は今後ますます大きくなってくることが予想されます。
一方で、株式時価総額はまだ12%にとどまっており、今後株式市場が大きく成長していく事が期待されます。
では、新興国の市場とはどんな国々があるのでしょうか。有名なのはBRICsや東南アジアです。それぞれがどんな特徴があるのか見ていきます。
BRICs株式市場の特徴とは
BRICsとは
BRICsとは2003年にゴールドマンサックスが投資家向けのレポートで用いて以来広まった言葉です。ブラジル、ロシア、インド、中国のそれぞれの頭文字をとってBRICsと呼ばれています。
また、sの部分を南アフリカ共和国とし、5か国を示すとする解釈もあります。
ゴールドマンサックスは2039年にはBRICsの経済規模は米日独仏英伊の合計を抜くと予想しています。そして、2050年にはGDPの世界ランキングは中国、アメリカ、インド、日本、ブラジル、ロシアになるとしています。
これがぴったり当たるとは思いませんが、新興国にそれだけのポテンシャルが秘められている事は間違いありません。日本が戦後たった数十年で世界第2位の経済大国に上り詰めたように、いずれは、世界経済における現在の国同士の力関係は大きく変化していくでしょう。
それでは、BRICsの株式市場の特徴をそれぞれ見ていきましょう。
ブラジルの株式市場の特徴
サンパウロ証券・商品・先物取引所がブラジル最大の証券取引所。中南米では第1位、南北アメリカ大陸でも第4位の取引量を誇る非常に大規模な取引所となっている。
- PER 14.2
- PBR 2
- 配当利回り 3.62%
- 時価総額 4,118億ドル
ロシアの株式市場の特徴
モスクワ証券取引所がロシア最大の証券取引所。株式に止まらず、債券やデリバティブ、通貨取引を行う事が出来る。2012年より現名称。
- PER 6.4
- PBR 0.7
- 配当利回り 5.92%
- 時価総額 1,989億ドル
インドの株式市場の特徴
ボンベイ証券取引所がインド最大の証券取引所。1875年に設立されており、アジアで最も古い証券取引所となっている。
- PER 21.7
- PBR 3
- 配当利回り 1.43%
- 時価総額 5,554億ドル
中国の株式市場の特徴
深セン証券取引所や上海証券取引所はともに1,000を超える企業が上場しており非常に大規模な市場となっている。
- PER 13.8
- PBR 1.8
- 配当利回り 2.17%
- 時価総額 1.6兆ドル
東南アジア株式市場の特徴
インドネシアの株式市場の特徴
インドネシア証券取引所はジャカルタに位置する証券取引所。設立は1912年と古いが1990年頃より本格的に指導している。現在は500を超える企業が上場している。
- PER 17
- PBR 2.8
- 配当利回り 2.88%
- 時価総額 1,112億ドル
マレーシアの株式市場の特徴
マレーシア証券取引所はクアラルンプールに1964年に設立。上場企業数は900社前後。
- PER 18.2
- PBR 1.6
- 配当利回り 3.33%
- 時価総額 1,419億ドル
フィリピンの株式市場の特徴
フィリピン証券取引所の前身であるマニラ証券取引所が設立されたのは1927年と歴史は古い。上場企業数は270社ほど。
- PER 20
- PBR 2.5
- 配当利回り 1.52%
- 時価総額 648億ドル
タイの株式市場の特徴
タイ証券取引所はバンコクに位置する。時価総額は堅調に推移しており東南アジアではシンガポールに次ぐ大きさ。上場企業数は600社を超える。
- PER 15.1
- PBR 2
- 配当利回り 2.99%
- 時価総額 1,693億ドル
今、大注目の新興国株式市場は中国
これまでBRICsや東南アジアといった有名な新興国株式市場を見てきました。しかし、この中でも個人的に注目しているのは中国株式市場です。
- PER 13.8
- PBR 1.8
- 配当利回り 2.17%
- 時価総額 1.6兆ドル
PERは13.80と株価はとても安い水準となっています。
さらに、何といっても特筆すべきは中国の経済成長のスピードです。中国のGDPは2010年に日本を抜かして世界第二位に躍り出て以降、今や日本の3倍ものGDPに成長しています。
それでいて株価は割安なのです。株価の安さと経済成長を兼ね備えているのは中国を置いて他にはありません。
中国株式に投資するには、投資信託などでもできますが個人的にはヘッジファンドによる投資が圧倒的におすすめです。
中国株専門のヘッジファンドについては別記事でも紹介していますので良ければ参考にしてみて下さい。
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