新興国株式に投資する方法はETFが一般的で簡単な手法です。ETFならインターネットで簡単に売買することが出来ますね。
しかし、果たしてETFが新興国株式に投資する最適な方法なのでしょうか?
あまり知られていませんが、新興国ETFには意外な落とし穴があります。実は全くおすすめ出来ない絶対に選んではいけない投資手法なのです。
今回はその理由について解説していきます。
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新興国ETFには新興国ではない国が含まれている
20か国以上への分散投資になってしまう
新興国株式に投資しているETFはどんな国が対象なのでしょうか。
有名なETFは「バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF(VWO)」でしょうか。他にはブラックロックの「iシェアーズMSCI エマージング・マーケットETF」なんかも有名ですね。
新興国株式ETFというと色々な種類があるかと思いますが、ほとんどのETFで20か国以上の国の銘柄に分散投資しています。
そこで問題となってくるのが、新興国とは言えない国が組み込まれてしまっている事です。
新興国への投資は、本来これから急成長する国に投資をするはずなのにすでに大きく成長している国に投資をする事になってしまうのです。
漠然とインデックスを受け入れてはダメ
新興国ETFではベンチマークとして「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」や「FTSE エマージング・インデックス」が採用されています。
すなわちこれらのインデックスに合わせて投資先が決定されることになりますので、漠然と受け入れてしまってはダメです。きちんとどこの国に投資しているのかを確認しておきましょう。
例えば「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」の構成は次のようになっています。
(出典:目論見書)
こちらを見て頂ければ分かるように投資先1位は圧倒的に中国となっています。
新興国としてイメージした投資先とは異なった構成になっているのではないでしょうか。新興国ETFという名称がついているからと言って何となく買わないように注意しましょう。
新興国ETFの投資先銘柄とは
続いて、さらに具体的にどんな銘柄に投資しているのか確認してみましょう。
MSCI エマージング・マーケット・インデックスではTENCENT HOLDINGS LTD、ALIBABA GROUP HOLDING-SP ADR、SAMSUNG ELECTRONICS CO LTDなどが組入れ上位銘柄となっています。
それぞれについて見ていきましょう。
TENCENT HOLDINGS LTD(テンセント)
(出典:Tencent HP)
テンセントは香港証券取引所に上場している持ち株会社です。
多数の関連子会社を保有し、ゲーム事業やインターネット事業を行っています。
例えば、中国版のLINEとも言えるWe Chatというサービスを提供し月間ユーザー数は10億人を超えると言われています。
驚愕の数字ですね。
また、世界時価総額ランキングでも第8位にランクインする超大企業となっています。
中国を代表する企業で優良企業なのは間違いないです。ただし株式指標を見てみるとPER 40.13と十分に成長しています。
●PER40.13
株が安いというには無理があるでしょう。
ALIBABA GROUP HOLDING-SP ADR(アリババ)
(出典:Alibaba HP)
アリババ・グループ・ホールディングも中国を代表する超巨大企業です。
オンラインマーケットなど様々なサービスを展開しています。
淘宝网(タオバオ)など個人で利用できるショッピングサイトもありますので、使ったことがある方もいるかもしれませんね。
2018年11月11日にはAlibabaグループの流通総額は1日で3.6兆円を達成し、1日で楽天の年間流通総額を超えたと言われました。
●PER 39.67
株価がすでに上がっており投資し辛い状況となっています。
SAMSUNG ELECTRONICS CO LTD(サムスン)
(出典:samsungHP)
サムスン電子は韓国を代表する電子製品メーカーです。
こちらの企業はほとんどの方がご存じだと思います。
家電量販店にいけばサムスン製の商品を目にする機会も多いのではないでしょうか。
携帯電話でもGALAXYシリーズなんかが有名ですね。
サムスンも言わずと知れた超大企業で、世界時価総額ランキングでも20位にランクインしています。
実は十分値上がりした超大企業に投資する事になる
ここまで見てきた通り、新興国ETFは世界の超大企業に投資する商品なのです。
これから急成長する株を仕込もうと思って新興国を探したはずなのに・・・
当初の思惑とは大分ずれた結果になってしまっているのではないでしょうか。
どうせ超大企業に投資するなら、素直にアメリカ株を買えばいいと思います。
いわゆる新興国ETFを購入すると、気付いたら中国や韓国の超大企業に投資をしている。
これからの急成長に期待できる本当の新興国に投資したい人は、安易に一般的な新興国ETFを選ばないように注意しましょう。
集中投資をするETF
ETFの中には投資対象をもっと限定したものもあります。
例えば、「NEXT FUNDS インド株式指数・Nifty 50連動型上場投信」です。これはインドを代表する株式指数「Nifty 50 指数」に連動するような運用成果を目指します。
他にも「NEXT FUNDS ロシア株式指数・RTS連動型上場投信」は、ロシアを代表する株式指数に連動する商品となっています。
インドやロシアのこれからの成長に期待できるのであれば、こういった商品に投資するのも一つの手段です。
新興国に投資するのであれば一般的な新興国ETFによる分散投資よりも、投資対象を絞った集中投資の方がおすすめです。
最高に儲かる投資タイミングはETFが出来る前
また、さらに欲を言えば、ETFが設定される前に投資できれば最高です。
なぜなら、ETFが設定されるタイミングが一番値上がりするため、ETF設定前に投資できれば最高に利益を上げられるからです。
ETFが出来るという事は、様々な金融機関を通して広く多額の資金が集まることになります。
そして、その資金を持って現地の株を大量に購入していくわけです。
大量の資金が市場に流入する訳ですから、当然大きく値上がりします。
簡単な事ではないですが、ETFの設立前に先行して株式市場に参入することが出来れば最大級の利益が見込めるでしょう。
●個人では難しいがヘッジファンドを利用すれば先行投資が可能
個人での投資では難しいですが、ヘッジファンドを利用すればETF設立前の早期の内から投資を開始し最大級のリターンを狙う投資が可能です。
また、そこまでの国でなくとも株価が安い銘柄に投資することが重要です。
専門性の高いヘッジファンドでは実にユニークな投資を行っている所が多いです。
ヘッジファンドの中でも非常に専門性が高くおすすめできるファンドを下記ランキングで紹介しておりますので、気になる方はぜひ確認してみて下さい。