平均寿命はのび続け、人生100年時代を迎えると言われています。
老後が長くなることは嬉しいことでもありますが、同時にお金の不安が増えることにもつながっています。
ですが、寿命がのびている裏には医療品分野の企業努力があることは言うまでもありません。
寿命がのびるなら、それを実現するような有力企業へ投資することでお金の不安もなくしましょう。
バイオ関連銘柄は近年ますます注目を集めています。ですが、もちろんどの企業でもいいという訳ではありません。
今回はどんなバイオ関連銘柄があるのか、本命企業はどこなのか考えてみましょう。
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のびつづける平均寿命
世界共通で平均寿命は増加している
(出典:厚生労働省 平均寿命の国際比較)
厚生労働省によると平均寿命の推移は上図のようになっています。
1965年からの50年間で、日本人は男女ともに10歳以上のびています。
さらに、日本に限らず世界共通で平均寿命がのびていることが分かります。
医療技術の進歩により死亡率が格段に下がった
平均寿命がのびている要因はひとえに医療技術の進歩です。
昔は、生まれてすぐ赤ん坊が死んでしまうことがよくありました。1918年には乳幼児の死亡率は20%近くに上っています。
しかし、医療技術の進歩により1920年代以降、乳幼児の死亡率は格段に下がったのです。
幼いうちに死ななくなったことが、平均寿命の大幅なのびにつながっています。
人生100年時代をむかえる
平均寿命が増加する傾向は続いており、令和の時代のいま、人生100年時代をむかえると言われています。
少し前までなら、100歳といえばテレビに出るほど珍しいご長寿さんでした。
ですが、それが当たり前の世の中がやってくるのです。
これに役立っているのがバイオ技術です。
高齢化社会となり、医療への期待度が高まる中でますますバイオ技術の存在感は増していくでしょう。
バイオ医薬品の誕生
1980年代ごろに誕生したバイオ医薬品
従来の医薬品は、化学合成によってつくられる低分子化合物が中心でした。
それが、1980年代ごろになるとタンパク質やバクテリアなどの生物から生み出されるバイオ医薬品が誕生しました。
遺伝子組み換え技術や細胞培養技術を駆使して、治療に有効なバイオ医薬品を作り上げるのです。
C型肝炎を治癒
例えば、アメリカのギリアド・サイエインシズという会社があります。
この会社はC型肝炎にきく「ゾバルディ」と「ハーボニー」という新薬を開発しました。
それまでは、C型肝炎の治療には重い副作用が伴っていましたがそれを大幅に軽減しました。
さらに、治癒できる確率も高く100%近い結果を残しました。
そのため、大いに注目され現在は世界第2位の大手バイオ製薬会社となっています。
小野薬品工業
がん免疫薬「オプジーボ」を開発
日本の企業では2014年に小野薬品工業ががん免疫薬の「オプジーボ」を開発しました。
通常人間の体はがん細胞を攻撃するようにできていますが、がんには免疫逃避機能があり、条件がそろうと人間の免疫機能が働かなくなってしますのです。
このがんの免疫逃避機能を阻害し、ちゃんと本来の免疫機能が働くするようにするのが「オプジーボ」の効果です。
副作用が少ないにもかかわらず、従来の抗がん剤よりも非常に高い効果が期待できる点が注目されました。
発売に至るまでには22年の時を要した
こういった医薬品が作れるようになったのも、生理学や薬理学の発展のおかげです。
分子レベルで病態を解明できるようになったことで新薬の開発は進みました。
それでも有効なバイオ医薬品というのは簡単に開発できるものではありません。
がんの免疫逃避機能の要因となるPD-1という抗体が発見されたのが1992年のことです。
しかし、実際にオプジーボが発売されたのは2014年です。実に22年もの時を要したのです。
コニカミノルタ
多種多様ながん細胞
がん細胞は環境に応じて自らを変化させるという特性を持っています。
例えば同じがんであっても場所によって異なる性質をもつがん細胞が存在しているのです。
そのため単一の治療法や医薬品では効果がないという事例も多く見られます。
適切な治療を行うためには、がん細胞の検査技術が重要になってくるのです。
がん細胞の正確な検査技術の開発
コニカミノルタは東北大学と共同でがんの検査技術を開発しています。
蛍光ナノ粒子を用いてがん細胞に発現するタンパク質をマーキングし、がん細胞の種類を解析するのです。
(出典:コニカミノルタ)
従来の方法では特定のタンパク質が存在しているか否かしか分かりませんでした。
しかし、コニカミノルタの技術により特定のタンパク質の有無に止まらず、位置や数まで分かるようになったのです。
ペプチドリーム
いいとこどりのペプチド医薬品
従来の化学合成で製造できる低分子医薬品では対処できない病気も多くありました。
一方で、バイオ医薬品は生物をもとに製造するため生産管理が難しくコストが高いという問題点がありました。
そこで両者の良いとこどりをしたのがペプチド医薬品です。
(出典:JITSUBO株式会社)
分類としては中分子医薬品と呼ばれています。
低分子医薬品では対処できない様な分子にも作用できる上に、化学合成が可能なのです。
つまりペプチド医薬品は、効果がありそうな新薬ができたけど価格が高すぎて試せない、といった現実的に発生する問題を解決できるのです。
東京大学発のベンチャー企業
ペプチドリームは東京大学発のベンチャー企業です。
2006年に東京大学先端科学技術研究センター内にて設立されました。
ペプチド医薬品自体はもともとありましたが、これまでは天然に存在するペプチドの一部を組み替えたものであり種類は限られていました。
ペプチドリームは自然界には存在しない特殊アミノ酸を組み込むことでペプチドの多様性と安定性を確保したのです。
20社を超える大手製薬会社と契約
ペプチドリームは、ペプチド医薬品を製造するにあたっての優良な材料を数多く提供する会社だと思ってもらえれば良いと思います。
この特殊技術が評価されペプチドリームは20社を超える日米欧の大手製薬会社などと契約を持っています。
(出典:ペプチドリーム)
名だたる有名企業が並んでいますね。
まさにペプチドリームは世界的に評価されていると言えます。
まとめ
魅力的な研究開発をしている企業が多かったですね。
投資という観点でいけば、新薬の開発は絶対に上手くいくというものではありませんので当たりはずれがあるものになってしまうかもしれません。
そういった意味では、ペプチドリームはペプチド医薬品製造に必要な素材を提供する会社ですので、安定して収益を上げやすい構造になっています。
株価もじわじわと上がり続けていますね。
いずれにせよバイオ医薬品分野の研究が進み、どんどん新しい新技術が確立されていくことは嬉しい話ですね!
がんが治る病気になる日も近いかもしれません。