最近はやっている金融商品にファンドラップがあります。
証券会社ではよくおススメされていますし、広告もよく出されています。
ファンドラップが証券会社の主力商品となってきていることは間違いありません。
では、本当に良い商品なのでしょうか?
実はファンドラップには注意が必要です。なぜなら儲からないからです。その秘密の理由を解説してきます。
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ファンドラップってどんなもの?
証券会社に丸投げで運用ができる
まずはファンドラップがどんなものか見ていきましょう。
ファンドラップとは、証券会社にラップ口座を開設することで証券会社にお任せで資産運用ができるサービスです。
手間をかけずに資産運用ができるとあって顧客が増え続けています。
(出典:大和証券)
2005年には5000億円を下回っていた資産残高は、2018年には8兆3000億円と大幅に増加しています。
その成長には驚かされるものがありますね。
ですが、ファンドラップが良いものだから顧客が増えていると勘違いしてはいけません。実態に迫っていきましょう。
ファンドラップはなぜ生まれたのか?
「売買に手数料がかからない」に騙されるな
ファンドラップの説明にあたって、さかんにおすすめされるポイントがこちらです。
一見、売買にあたって手数料がかからないのはいい事に思えるかもしれません。
例えば、購入時手数料3%の投資信託であれば1000万円買おうとしたら30万円払わなければいけないわけです。
これがファンドラップではゼロ円です。確かに始める瞬間はお得に見えるかもしれません。
ですが、目先の手数料に騙されてはいけません。
どういうことか見ていきましょう。
金融庁に回転売買が怒られた
そもそも証券会社の主な収入は金融商品の売買にかかわる手数料です。
ようは投資信託を買ったり売ったりしてもらえばしてもらうほど、証券会社の収入は増えていきます。
そのためこれまでは(今も続いていますが)、証券会社は必要のない商品であっても投資家に売買をすすめてきたのです。いわゆる回転売買というやつです。
ですが、これがやり過ぎだということで金融庁に怒られました。
そこで、対抗策として推し進められているのがファンドラップなのです。
ファンドラップは二重に手数料をとられる
ファンドラップでは、ラップ口座をもっているだけ口座の管理料がかかります。
そして、投資先の商品の信託報酬もとうぜん支払わなければなりません。
直接投資信託を買えば、かかる手数料は商品の信託報酬だけですが、ファンドラップを通すことでファンドラップ側の手数料もかかってしまいます。
つまり、ファンドラップを選ぶことでムダに二重に手数料を支払わなければならないのです。
ファンドラップは、回転売買のかわりに証券会社が推し進めている証券会社がとっても儲かる方法なのです。
あまりにもひどい運用実態
悲しい現実
百歩ゆずって、証券会社がどれだけ儲けても投資家に利益が返ってくれば問題はないでしょう。
ですが、ファンドラップの運用実態は悲しくなるほど悲惨です。
とてもではないですが、利益は期待できないでしょう。その実態を見てみましょう。
系列会社の商品を抱き合わせて売っている
証券会社は金融商品の販売窓口です。
大手証券会社であれば、系列会社にアセマネ会社があります。金融商品を作る会社ですね。
そうすると、どうなるでしょうか。系列会社の商品にメインに投資します。
ファンドラップは投資家の利益をあげるためにポートフォリオを考えているのではありません。系列会社の利益を伸ばすために商品を選定するのです。
証券会社は二度おいしい
ファンドラップは証券会社にとっては非常においしい仕組みです。
まず、ラップ口座の管理料として安定した手数料が入ってきます。
さらに系列会社の投資信託に投資することで、その投資信託の手数料収入も大幅に増えるのです。
まさにファンドラップは証券会社のための商品だと言えるでしょう。
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なぜ証券会社のための運用が行われてしまうのか?
証券会社に運用成果を出すモチベーションがない
それでは、なぜ投資家のためではなく証券会社のための運用が行われてしまうのでしょうか。
原因は、ひとえに運用成果が手数料に連動しないためです。
一部連動している商品もありますが、相関度が低かったり、営業マンが固定報酬のモノを進めてきたりとあまり機能していないのが現実です。
運用成果をシェアするという仕組みであれば、ファンドラップも運用成果を上げることを目指して運用するはずです。
運用成果を上げれば上げるほど、証券会社の収入も増えるのですから。
自分で能動的に行動しよう
言われるがままに投資するのはやめよう
ファンドラップが儲からない理由は確認できました。
しかし、資産残高は増加しています。証券会社に言われるがままに契約してしまう人が、こんなにも多いのが現実なのです。
本当に良い資産運用をするためには、完全に受け身ではいけません。
自分自身で調べたり勉強することが必要です。少し大変かもしれませんが、自分の頭で考えて、行動することが納得できる資産運用にであえる秘訣ではないでしょうか。