資産運用の方法として保険を選択する人がいますが、それは大きな間違いです。
保険と言われると元本が保証されるような気分がして何となく安心感があると思うのですが、実態はイメージと大きく異なります。
資産運用の方法として保険は絶対に選ばないようにしましょう。
保険ってそもそもどんなもの?
病気やケガなどもしもの時の備え
まずは保険とはそもそもどんなものなのか見ていきましょう。
保険とは、病気やケガなどもしもの時のためにみんなでお金を積み立てておき、実際に病気やケガをしてしまった人が一定の額を受け取れるというしくみです。
(出典:アフラック)
保険を契約している人は、毎月保険料を支払っていることでしょう。それらを保険会社が積み立てておき、病気やケガをしてしまった人に支払います。
これまでの統計から大体何%くらいの人が病気やケガになるというのはデータがあるので、それをもとに保険料が決まるのです。
従業員の給料や会社の運営にお金がかかる
われわれが支払った保険料は、全額が保険金や給付金の支払いのために蓄えられている訳ではありません。
保険会社を運営するのには様々な費用がかかります。社員の給料、会社の建物、光熱費、さまざまなお金が必要です。
これらの費用は当然ですが、我々が支払った保険料から支払われます。
われわれが支払う保険料のうち一部しか保険金のために貯蓄されないという事を覚えておいてください。
保険のしくみ「純保険料」と「付加保険料」
「純保険料」と「付加保険料」って何?
続いて、保険の詳しいしくみについて見ていきましょう。
われわれが支払う保険料は、実は「純保険料」と「付加保険料」で構成されています。
イメージとしてはこんな感じです。
- 「純保険料」⇨われわれのためのお金
こちらは将来の保険金の財源となるお金です。われわれに何かあった時のためのお金ですね。
- 「付加保険料」⇨保険会社のためのお金
こちらは会社の運営のためのお金です。われわれにとっては費用でしかないので出来るだけ抑えてほしいお金になります。
気になるのは実際の「純保険料」と「付加保険料」の割合ですよね?
もちろん、われわれとしては出来るだけ「付加保険料」を小さくしたいです。
5%でしょうか?10%でしょうか?それとも20%?いやいや30%?
では、気になる答えを確認してみましょう。
実例に学ぶ!「付加保険料」はどれくらいかかるの?
支払った保険料のうち○○%が保険会社のためのお金
「純保険料」と「付加保険料」の割合は一律に決まっているものではありません。
保険会社によっても違いますし、商品によっても違います。今回は大手の生命保険会社の商品で、40歳男性について見てみます。
衝撃の結果はこちらです。
なんとわれわれが支払った保険料のうち、「保険会社のためのお金」が62%と圧倒的な割合を占めるのです。
われわれに何かあった時のための、保険料の積み立ては38%に過ぎないのです。
いくらなんでも保険会社のためのお金が多すぎます。まるで毎月、保険会社にお小遣いをあげているみたいですね。
こういった実態を知らないで、何も考えずに保険料を支払うのはやめましょう。
保険での資産運用が儲からないたった一つの理由とは
さて、保険で資産運用が出来ない理由はお分かり頂けたでしょうか。
もちろん、商品によって「われわれのためのお金」と「保険会社のためのお金」の割合は異なります。
ですが、保険で資産運用をしたとして一体いくらを「われわれ」のために使ってくれるのでしょうか?
保険会社に大きなお小遣いを上げたうえで資産運用をしても儲かるワケがないのです!
保険会社で働ていた人の本音を紹介しよう
お客様に申し訳なくて会社をやめました
保険会社で実際に働いている人でも、こういった実態についていけないという人もいます。
有名大学を卒業して大手生命保険会社に就職したAさん。
人の役に立てるという事で選んだ会社でしたが、実態は自分のイメージと大きく異なっていました。
付加保険料が60%でお客様のためには40%ほどしか使われない。それでも保険会社で働いている以上、そういった商品を販売しなければならない。
その現実に嫌気がさしたAさんは20代という若さで会社を辞めてしまいました。
「保険料って6割くらいが会社のために使われるんですよ。さすがにお客様に申し訳なくて自分には続けられませんでした。」
まとめ
いかがだったでしょうか。
何気なく毎月支払っている保険料ですが、イメージと大きく異なったのではないでしょうか。
保険とはあくまで自分に何かあった時のための備えに過ぎません。単純にお金の損得だけで考えたら儲かる方法ではないのです。
資産運用の方法としては、保険を選ばないようにしましょう。
きちんと資産を増やしたいなら、資産運用のプロに任せるようにしましょう。
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