本屋さんにいくと株式投資に関する本がずらっと並んでいます。
「100万円を1億円にする超株式投資!」
「1日5分で儲かる!ほったらかし投資が最強」
「○○流!超実践的チャート分析16の法則」
これらはイメージですが、こういった本が所せましと並んでいます。
しかし、本屋さんに置いてあるからといって簡単に信じてはいけません。上手くいく方法もあるし全然ダメな方法もあるのです。
では、金融の世界で実際に働いている人はどういった方法で投資を行っているのでしょうか。
今回は、金融のプロが実践する株式投資の手法を解説していきます。
本屋の株式本あれこれ
チャート分析を教える本
まずは本屋さんの株式本にはどのようなものがあるのか確認してみましょう。
豊富な種類の本が出版されているのがチャート分析の本です。
チャートというのは株価の値動きをグラフにしたものですね。過去の値動きをもとに、将来の値動きを予想するのがチャート分析です。
多数の指標を用いるテクニカル分析
こういったチャートを見る分析手法は、テクニカル分析と呼ばれます。
ただチャートを眺めるだけではなく、分析するための道具が色々あります。
- 移動平均線
- ボリンジャーバンド
- RSI
- MACD
- 一目均衡表
などなどです。
こういった道具を利用してチャートについてあーだこーだ言うことでそれっぽい投資になるのです。
そして、残念なお知らせですがこういったテクニカル分析(チャート分析)には何の意味もありません。ただそれっぽくふるまっているだけで中身はゼロなのです。
チャート分析本のぺらぺらの中身とは
著者は個人投資家
チャート分析本はどんなものなのか解説していきます。
まず著者ですが個人投資家の方が多いです。つまり、ちゃんと金融について知識がある訳ではなく我流でやっている人達になります。
もちろん、投資で儲かったという人達が書いているのですが、厳しい言い方をするとたまたま勝った個人投資家が本を書いているわけです。
著者たちも自分の手で投資手法について述べておきながら、あまりよく分かっていないことがほとんどです。
こうやったらたまたま勝ったよという報告に過ぎないのです。本が出てから全く同じやり方で投資してもまず負けてしまうでしょう。
投資で勝ち続けられないから本を出す
そして、彼らはなぜ本を出版するのでしょうか?
それは、投資で勝ち続けることができないからです。投資だけでは収益が安定しないからこそ、本を出したりセミナーを開いたりするのです。
個人投資家で勝ち続けている人はまずいないですし、仮にいたとしても自分だけの儲かる手法をわざわざ本にして皆に教えたりしないですよね?
残念ながら、現実はそういうことなのです。
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なぜ本屋さんにチャート分析の本は並ぶのか?
チャート分析本は売れるから
それではなぜ本屋さんにチャート分析の本が並ぶのでしょうか?
それは売れるからです。チャート分析の本は簡単なので誰が読んでも分かります。売れるから本屋さんに並ぶのです。決して投資手法が優れているからではありません。
チャート分析でよくあるのは、こういう形のチャートになったら次は上がりますよ(or下がりますよ)といった内容です。
例えば、アルファベットのWのような形になるダブルボトムなどですね。
チャートを見てWの形を見つけるだけなら子供でもできます。分かりやすくて売れるからこそ本屋さんにチャート分析の本は並ぶのです。
金融のプロが選ぶ株式投資の方法とは
金融業界の人でテクニカル分析を選ぶ人はいない
それでは、金融業界で働いているプロの人たちはどんな投資手法を選ぶのでしょうか。
まず、テクニカル分析を選ぶ人はいません。チャートを見てあーだこーだ言うのは個人投資家の人たちだけですね。
金融業界で働くプロたちはチャート分析がまやかしであることを知っているからです。
金融のプロが選ぶのはファンダメンタルズ分析
金融のプロが選ぶのは間違いなくファンダメンタルズ分析です。
ファンダメンタルズ分析では、きちんと企業の財務状況や業績を精査し、バリュー評価を行います。
そして、中長期的に見て企業価値が向上していく企業に投資を行うのです。
チャートだけを見て短期間で取引をするようなギャンブル投資とは大違いです。綿密な調査と分析の上にファンダメンタルズ投資は成り立っています。
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ついつい易きに流れないように注意しよう
ファンダメンタルズ分析は実践するのが難しい
ファンダメンタルズ分析がプロしか知らない方法かというとそんなことはありません。
もちろん本屋さんにも多くの本が並んでいます。
では、なぜなかなか個人投資家に選ばれないのでしょうか。それは、シンプルに内容が難しいからです。
ファンダメンタルズ分析をしようと思うと、一歩目として企業の財務情報を読み取れなければ意味がありません。
そうすると決算書の読み方を学ばなければなりません。
決算書以外にも各種株式指標もありますし学ぶことは多岐にわたっています。
これらのことをゼロから学ぶのは非常に大変なことなのです。
なぜ個人投資家はチャート分析を選んでしまうのか
一方、チャート分析はとても簡単です。
株価の値動きを見て特定の形を見つけるだけですからね。
あとは好みに応じて移動平均線などのそれっぽい指標を加えれば完成です。とてもお手軽にできるからこそ個人投資家は選んでしまいます。
しかし、簡単なことと投資手法として有効かどうかは全くの別物です。易きに流れないように注意して下さい。