銀行に預けておいても利息がつかない。どうにかして資産を増やす方法はないものか。
そう考えて外貨預金にたどり着いた人も多いのではないでしょうか。
確かに外貨預金は利息が大きいです。そして、通貨もたくさんの種類がありますのでどれを選んだらいいか迷いますよね。
そこで、今回は外貨預金のメリット・デメリットと通貨10種類について解説します。
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外貨預金の3つのメリット
利息が大きい
まずは、外貨預金のメリットから見ていきましょう。
外貨預金のメリットは何といっても利息が大きいことでしょう。例えばソニー銀行の外貨預金の金利は次のようになっています。
通貨 | 金利 |
米ドル | 0.4% |
ユーロ | 0.001% |
英ポンド | 0.15% |
豪ドル | 0.3% |
NZドル | 0.3% |
カナダドル | 0.5% |
スイスフラン | 0.001% |
香港ドル | 1.2% |
ブラジルレアル | 0.5% |
南アランド | 2.1% |
日本円の普通預金の金利が0.001%であることを考えると、ユーロとスイスフラン以外は軒並み金利が高いことが分かります。
利息が大きいというのが外貨預金のまぎれもないメリットとなっています。
資産のリスク分散ができる
また、外貨預金はリスク分散にもなります。
普通の預金口座にしか資金がなければ自分の資産は全部日本円で持っていることになります。仮に日本円の価値が下がったとすると資産全体の価値が大きく目減りしてしまいます。
一方で、資産の一部を外貨預金にして外貨として持っておけばリスクヘッジになります。仮に円安になったとしても外貨の価値は下がらないからです。
外貨預金に資産の一部を振り分けることでリスク分散ができるのです。
世界情勢に詳しくなる
外貨預金をすると、その国の情勢というのが気になります。
米ドルでお金を持っていればアメリカのニュースが、ユーロでお金を持っていればユーロ圏のニュースが気になってくる。これは誰しもが思うことでしょう。
そうすると今までは気にならなかった世界のニュースが耳に入ってくるようになります。つまり、自然と世界情勢に詳しくなれるのです。
世界で起きている様々なニュースや経済情勢を把握していると、社会人として大いに役立ちます。
取引先とのちょっとした雑談で上手く使えれば、大きな契約を勝ち取れるかもしれませんし、信頼関係を築けることでしょう。
経済的な直接的なメリットだけではなく、間接的なメリットもあるのが外貨預金の良い点です。
外貨預金の3つのデメリット
手数料が高い
では、続いてデメリットについても見ていきましょう。
まず一つ目は手数料です。外貨預金をするには当然銀行に手数料を払う必要があります。この銀行への手数料がFXと比較するととても高いです。
FXというと何だかギャンブルのようなイメージがあるかもしれませんが、使い方ひとつで便利な運用手段になります。
あまり知られていませんが、FXでレバレッジをかけずに取引すれば実質外貨預金なのに銀行よりもグッと手数料が安くなるのです。
利息よりも大きい為替レートの変化
外貨預金のメリットでは利息が大きいことがあげられました。
この利息に加えて、もう一つ外貨預金の損益に大きく影響するのは為替レートです。外貨預金をしたあとに円高になるか円安になるかで大きく収益が変わってくるのです。
そして、重要なことは利息よりも為替レートの変化の方が大きい、ということです。
為替レートの変化によっては、せっかく手に入れた利息がなくなってしまうかもしれませんし、利息分よりもさらに大きな儲けが出るかもしれません。
資産運用ですのでどちらの可能性もあるのは当然なのですが、為替レートがどうなるかは誰にも予想することができず完全に運任せになってしまうのです。
まるでギャンブルのような要素が入ってしまうのが外貨預金の大きなデメリットとなっています。
リスクに対するリターンが小さい
もっと言えば、外貨預金はリスクに対するリターンが小さいです。
為替レートが円高になり続ければ、資産が1/2、1/3になることも十分に考えられます。
ですが、それに対して確実なリターンは利息分だけです。最も金利が高い南アランドでも2.1%でしたね。
2.1%の確実なリターンのために、為替レートのリスクを受け入れるのは全くおすすめできないギャンブルとなっています。
ここまで、外貨預金のメリット・デメリットについて見てきましたが、基本的には外貨預金はおすすめできません。
こちらの記事でも外貨預金について、銀行が儲かるだけだという話を解説しています。
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それでも、どうしても外貨預金がしてみたいという方のために10種類の外貨について比較してきます。
どうしても外貨預金をやりたい人向けの通貨比較10種
米ドル(USD)
- 金利0.4%(以下、本章の金利はソニー銀行の外貨預金の金利です。)
- 言わずと知れた世界の基軸通貨。世界シェアの40%以上と言われている。
- 比較的安定した動きをするので中長期の運用に向いている
- ニュースなどの情報も手に入れやすく迷ったら米ドルがおすすめ
ユーロ(EUR)
- 金利0.001%
- EU圏で広く使用されている通貨。金利は低い。
- 世界シェアは約15%となっており世界第2位の流通量を誇る。
- EU諸国の政治リスクもあり、米ドルに比べるとやや不安定。
英ポンド(GBP)
- 金利0.15%
- イギリスの通貨。
- Brexitなど政治不安もあり先行きは不透明。
- 金利が低い割には値動きは大きく投資価値は低い。
豪ドル(AUD)
- 金利0.3%
- オーストラリアの通貨
- 先進国の中では金利も高く政治情勢は安定している。
- ただし、資源大国のため貿易が盛んであり、資源価格の影響を受けやすい。
NZドル(NZD)
- 金利0.3%
- ニュージーランドの通貨
- 農業大国であり食料価格の影響を受けやすい。
- 豪ドルと似たような動きをするので、豪ドルに投資する場合はリスク分散のため選ばない方が良い。
カナダドル(CAD)
- 金利0.5%
- カナダの通貨
- カナダは世界第3位の原油埋蔵量を誇る資源大国。そのため原油価格の影響を受ける。
- 政治情勢も安定しており比較的安定した運用ができる。
スイスフラン(CHF)
- 金利0.001%
- スイスの通貨
- 永遠の中立国であり通貨価値は安定している。
- 金利も小さく値動きもないので投資には向いていない。
香港ドル(HKD)
- 金利1.2%
- 香港の通貨
- ドルペッグ制であり、米ドルと固定相場となっている。
- あえて香港ドルを選ぶ理由もなく、やるなら米ドルを選ぶほうが良い。
ブラジルレアル(BRL)
- 金利0.5%
- ブラジルの通貨
- もともとは高金利通貨として知られていたが近年は大きく政策金利が引き下げられた
- リスクはあるが金利は低くなってしまったので、投資しない方が無難
南アランド(ZAR)
- 金利2.1%
- 南アフリカの通貨
- 言わずと知れた高金利通貨
- 値動きも激しいので積極的にリスクを取ってリターンを狙いたい人向けの通貨
外貨預金で儲からない理由
為替は結局ゼロサムゲーム
ここまであれこれ10種類の通貨について見てきましたが、総じて言えるのは「外貨預金は儲からない」ということです。
何が問題かというと結局為替はゼロサムゲームだからです。誰かが得をするということは誰かが損をしているのです。
こういった条件下で勝ち続けていくのは至難の業です。ほとんど不可能と言ってもいいでしょう。
一方、株式投資であれば経済成長すれば株式市場全体が成長していきます。市場の参加者全員が儲かるということがあり得るのです。
そのため、結論としては外貨預金よりも株式投資の方が圧倒的におすすめです。